2006年 12月 18日
公開初日に見てきました。 約一週間も経ってから感想を書くのは如何なものかと思いましたが、オーディオでも映画でもそうですが、ある程度 日を置いた方が冷静に感想が書けますので・・・。 『世界が忘れてはいけない島がある。』 『61年前、1945年2月19日、アメリカ軍の上陸とともに始まった硫黄島をねぐる36日間の攻防。』 『約7千人のアメリカ兵が命を落とし、約2万人の日本兵が命を落とした。』 物語の始まりは、1944年6月、 陸軍中将 栗林忠道(渡辺兼)が硫黄島に降り立つあたりからです。 硫黄の臭気が立ち込め赤痢にかかる兵士もいる硫黄島 食料、水も満足に無い状況で栗林の指揮の下 掘り進められる地下要塞。 その長さは延べ30キロにも及びトーチカを蜂の巣のように結ぶ事でアメリカ軍の侵攻を食い止め陥落を一日でも阻止しようとした。 日本兵の総数約21,000名 米軍の兵力は、艦船800隻、航空機4,000機、総数約25万人 神国 日本においてお国のため、天皇陛下の為に死ぬ事が美徳とされ捕虜または生き延びて恥をさらすぐらいなら潔く玉砕する事が当然とされた時代。 以前、NHKのドキュメンタリーで硫黄島を見て、TVの宣伝で硫黄島からの手紙が公開間近と知り、久々に映画館で見たいと思い 仕事の調整をし、公開の2日前にシネマサンシャインへ行き指定席のチケットを購入しました。 当日、映画館へ行きますと案の定チケット売り場は長蛇の列。 前もってチケットを用意しておいて良かったと実感しながら館内へ入りました。 クリント・イーストウッドが監督という事で、くだらない映画は作らないだろうと思い 期待しながら始まりを待ちました。 しかし、期待とはうらはらに映画を見終わった時の感想は 事実と違う、正確には 事実が表現しきれていない。という思いでした。 36日間の攻防。 約7千人のアメリカ兵が命を落とし、約2万人の日本兵が命を落とした。 この事実が 映画の中では、4,5日間の攻防のように感じ、 アメリカ兵の死者は数十人のように感じ、 日本兵の死者は数百人のように感じました。 NHKのドキュメンタリーでは、硫黄島の生存者の方が、 生き地獄、精神状態がまともな者など誰も居ない、と当時の事を話していましたので その点についても描ききれていなかった様に感じました。 しかし、一週間経ち、この映画に対する感想は見終わった時とは違うものとなりました。 NHKのドキュメンタリーを見ていなければ、ここまで事実ばかりを意識せずに済んだのですが、頭の中では こんなものでは無い、もっと悲惨だったという思いが強すぎ反戦映画という事を忘れていました。 頭を切替、反戦映画という事でこの映画を考えると 当時の日本人の心情、当時の日本の考え方がアメリカ人であるイーストウッドが監督したとは思えない程、忠実に描かれていたと感じます。 役人が赤紙を届けに来るシーンでも、受け取らずに逃げてしまいたい心境を押し殺し、 有難うございます。 と言い受け取らねばならない当時の日本。 妻を残し、これから生まれて来るであろうお腹の中の子供を残し、死を決意し軍隊へ行かねばならない心境とは、どれ程のものだろうか。平和な日本で生まれ育った私には想像も付かない。 映画をドラマチックに演出する為にこのような設定にしたのでは無く、実際にもこのような状態で出兵していった兵士は大勢いたようです。 実は、祖父もこの映画に出てくる登場人物と同じ状況で軍隊へ行きました。 お腹の中にはまだ見ぬ我が子(私の父)がいる妻をたった一人残し出兵しました。 祖母に以前聞いた話ですが、祖父が出兵する前の晩、夫婦二人で涙を流したそうです。 そして、この時 祖父が言った言葉は 『俺は死ぬかもしれない。これから合えなくなる日が続くだろう、いやもう合えないかもしれないが、夜になったら月を見よう。たとえ離れていても、月を見ればお互い同じ事をしている事になる。心が通じ合える』 と言ったそうです。 現在は、靖国問題が報道される事もよくあります。 太平洋戦争時に兵士達が 『靖国で合おう』 と言い残し、玉砕していった姿も、この映画は描いておりました。 『靖国で合おう』 『天皇陛下万歳』 日本軍の規律が、武士道を基に作られていたとはいえ 生き恥さらすぐらいなら自決・・・ 『靖国で合おう』 『天皇陛下万歳』 胸の奥が締め付けられる思いです。 硫黄島からの手紙では、ストレートに戦争反対 とはいっていませんが 戦争を起こした結果 それまでの暮らしを奪われ、人生を奪われ、言いようの無い悲しみを強いられた人々が大勢いたという事実は 痛いほど感じ取る事ができました。 戦争はどんな理由があろうともしてはいけない。 あらためてこの思いが強くなりました。
by flashdaiyouryou
| 2006-12-18 21:40
| 色々
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